事務局長挨拶
日本ペインクリニック学会事務局長
獨協医科大学医学部 麻酔科学講座
山口 重樹
井関雅子代表理事の下、事務局長を務めさせていただきます獨協医科大学医学部麻酔科学講座の山口重樹です。はなはだ若輩者はありますが、井関代表理事を支え、日本ペインクリニック学会の発展のため、全力で事務局長としての職務を果たしていく所存ですので、何卒よろしくお願いします。
日本ペインクリニック学会は、患者さんの痛みを和らげるために創設された日本最大の痛みの臨床、教育、研究に関する学術団体です。その歴史は、1969年の設立以来50年を超え、会員数も5,000名に達し、順調に発展を続けています。これまで、学術集会の開催、研究の推進、専門医の育成、機関誌の発行、国際交流、診療ガイドラインの作成、診療報酬に関する上申、市民への啓発活動など、数々の事業を行ってきています。近年では、本学会は日本における痛みの診療の均てん化をすすめるために各種ガイドラインを発表し、数多くある痛みに関する学会のトップリーダーとしての立ち位置を確実なものにしています。
今後も日本ペインクリニック学会は、国民の痛みを和らげ、生活の質を改善、健康寿命を延長するために邁進し続けなければなりません。そのため、現状に満足せず、現在抱えているいくつかの問題を解決していく必要があります。学会運営の舵取りを誤ると、学会そのものの存在が危うくなる時代です。皆さんもご存知のように、American Pain Society(米国疼痛学会)がオピオイドクライシスを端に発した多くの問題を抱え、その歴史に終止符を打つことになってしまいました。日本ペインクリニック学会がそのような事態になることはないと考えていますが、今この時期に本学会の運営を盤石なものにしていかなければならないと考えています。
現在抱えている問題は、本会の専門医の位置付け(専門医機構におけるサブスペシャリティ)、多様性(diversity)を生かしてみんなが活躍できる環境整備、他の関連学会との協調(日本痛み関連学会連合など)、国民のニーズに応えた活動(がんサバイバーの慢性疼痛問題)、会員数の更なる増加(多職種の参加)、診療報酬改定への対応、学術研究の推進などで、多くの課題を抱えています。そのために,井関代表理事を支え、理事、評議員、そして、会員の皆さんと一つ一つ問題を解決していきたいと考えています。
そして、国民全員から「痛みの学術団体と言えば日本ペインクリニック学会」と言われることができるよう会員一丸となって学会運営に尽力していかなければなりません。引き続き、会員の皆さんには、痛み診療の発展と均てん化、痛みに係る全ての医療者への教育、新たな痛みの緩和の方法を見出すための研究への御参加、御助言、御協力を何卒宜しくお願い致します。簡単ではありますが、事務局長就任の挨拶とさせていただきます。
一般社団法人日本ペインクリニック学会事務局長
獨協医科大学医学部 麻酔科学講座
山口 重樹